来た 女の子
という
証を現していたの
肉体は血が抜ける様に
枯れた感覚を持つ
私は確実に
居た
だけど
女の子も確実に
私の中に
居た
女の子は
こう言った
私がね
いなくなった後の
お父さんとお母さんを見て
分かったって
私がね
居なくなった後
お父さんとお母さんが
一生懸命
生き続ける
その姿を見て
後悔したって
ごめんなさい
その言葉達は
私の耳に入る
どんな言葉達よりも
生きていた
泣いた
崩れて泣いた
両者の真ん中に
もしも
私が
在ることを
許されるのであるならば
何が出来るのだろう
時を見て
親しくないお家へ訪ねていった
お父さんとお母さんは
ずっと
背負っていた
何もしてやれなかった
あの時
もっと
こうしていれば
あれは
合図だったのかもしれない
後悔したって
ごめんね
両者はね
ずっと
お互いを想い
同じ思いを持ち続けてた
見えない世界に居る
女の子
見える世界に居る
お父さんとお母さん
お互いを
こんなに想っているのに
想い合っているのに
どうして
通じ合わないんだろう
お互いが
強く持つものは
同じ分の
後悔と罪悪感
それがね
二つの違う次元を
繋げることを
妨げる
手を伸ばせば
届くの
だって
この世界とあの世界って
おおよそ
30㎝ほどの違いにしかない
場所だもの
罪悪感は
会いたい
その思いを遮断させる
伸ばした手を
ひっこめさせる
後悔は
その場に
動きを
留まらせる
でもね
お互いの間にある
同じ思い出が笑顔と共に
飛び跳ねた時
後悔を
罪悪感を超えた時
分かり合える
通じ合える
女の子はね
やっと
帰ることが出来る
お家にじゃないよ
お父さんとお母さん
中
消えない娘として
もう一度
抱きしめることが出来る
ただいま
おかえり
あたかも
当然の様に
昔
同じ次元に居たときの様に
見えないものに
信頼をおく
見えるものに
信頼をおく
次元は
超えられる
女の子の名前
久美子
って言うんだって
そうね
ありきたりの名前ね
一度だって
好き
と思えたことがない名前
私と同じ
名前
久美子
嬉しかったな
初めて
自分の名前が
唯一無二の
他にはない
久美子
になった気がした
後日
ひまわりと共に
手を
合わせさせてもらった
意識の中
女の子
笑っていた
本当
ひまわりみたいな
笑顔だったな
信頼してくれて
ありがとう
私のところに
来てくれて
ありがとう
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