懐かしい味
沼の底の
ヘドロの味を知っている者
今という
上っ面の水を飲んで
生きれる
女
ばかりじゃねえ
いくら
差し出されたって
昔
口にした
ヘドロの味を
選んじまう奴もいる
どんなに
今という
上っ面の水が美味いとしても
慣れた
ヘドロの味に
馴染みを覚えちまっている
まさか
自分なんかが
自分には
もったいなさすぎる
なんてな
誰でも
飲める水だってえのに
今
産み落とされた自分を
今という
普通に
持っていかれねえ
それが
前世っていうもの
それが
枠っていうもの
武士だ
姫だ
城に住んでいた
そんなもんだけで
世の中が
成り立っていたんだったら
そんなもんだけが
今
精神世界を語るに
相応しいと
されるのであるならば
完全なる
間違えの中に生きてるな
どこかで
曲がっちまった真実を
選択しない
真逆を常に
見るっつうことは
自分の中に在る
逆っかわを
真実に
見ることだ
平等性の偏りを
相も変わらず
見続けていようもんなら
現世の重みは
変わらねえ
あんたさんの中から
重みも
消えることはねえ
高みに上がる存在だ
そう
信じるのであるならば
いつしか
下がった位置にいた
真実の
自分に
目をかけてやることだ
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