閉じようとする 羽根

 
一人の女性のこと
 
羽根が閉じる 女性のこと
 
 
その女性の肩は
とても 小さい 
小さくて とても うすい
 
kumiさんね
私のお兄ちゃん
生まれつき
重度の精神障害を持っていて
 
今53歳なんだけれど
まだ
2歳なの
 
とても大変だった
今も
この先も
心配してる
 
kumiさんね
 
昔今の旦那さんと結婚する前
5年ほど
お付き合いしていた方が
いたんだ
 
結婚するんだろうな
 
そう思っていた
ある日
 
相手から
 
精神障害は遺伝するから
結婚は出来ない
 両親がそう言っている
 
そう
結婚も交際も
 
断られたんだ
 
 
なのに
 
何か月か過ぎて
謝ってきたの
 

私ね
断ったの
 

だって
お兄ちゃんのこと
そんな風に
言われるの
 
悲しくて
そんなこと言われる
お兄ちゃんが
かわいそうで
 
小さな肩を前に
窄めて
揺らした
 
私の前で
羽根を閉じた

昨日の事の様に
彼女の前に
現れてる
感情が生きたまま
 
’ねえ
私の選択間違っていなかった?’
揺れる
彼女の小さな肩が
そう尋ねる
 
うん
間違いない選択
最善の選択
 
だってね
お兄ちゃんには
願いがあったんだもの
誰にも
気づかれない様にして
在った
お兄ちゃんの願い

 
お兄ちゃんが
生まれながらに
 
重度の精神障害を
持ってでも
 
止めなければ
ならなかったもの
止めたいと願っていたもの
 
それが
 
お兄ちゃんを理由にして
断られた
 
あの結婚
 
お兄ちゃんの愛の差し出し方
本当に
真逆の姿をしている

見えない愛を
今受け取る


羽根が開くといいな
それで
もう
閉じなければいいな
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Elysium

唯一無二の存在として 自身の資質を開く その時を迎えた女性へ 見えない世界 魂 霊体 想念 前世というもの 真の意味を 久子と共に書かせていただきます

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